2018年10月11日木曜日

相続した上場株式等を売却する場合

 先日、親戚の家に行った時の事ですが、中学生の甥がタブレットPCを熱心に見つめていました。いつものゲームをやっている時と少し様子が違うので、甥のタブレットPCを覗いてみると、何と株価をチェックしておりました。
 なぜ株価をチェックしているのか、と聞いてみるとジュニアNISAを検討しているのだそうです。
 ジュニアNISAは未成年者向けの少額投資非課税制度で年間80万円を上限に、株式の譲渡益や配当金、投資信託の分配金等が非課税対象となっております。
 ご存知の通りNISA制度には一般NISA・つみたてNISA・ジュニアNISAがあり、家計の安定的な資産形成を後押しする為に、税制面で大きな優遇措置が講じられております。
 譲渡益や運用益が非課税となる事で極めて効率的な資産形成が可能となっております。
 但し、このNISA制度は時限措置となっており、金融庁は来年度の税制改正に向けてNISA制度の恒久化を要望しております。
 また、金融庁はNISA制度の恒久化に加えて、「相続により取得した上場株式等の譲渡における相続税の取り扱い」についても見直しの要望をしております。
 相続により取得した上場株式等を売却する場合、譲渡益から支払った相続税分を差し引く事が出来ます(実務上は売却する株式の取得費に支払った相続税が加算されます)。
 但し、譲渡益から相続税分を差し引くには、相続から3年以内に上場株式等を売却しなければなりません(つまり3年超での譲渡では、譲渡益が相続税分増加する事になり税負担も増加します)。
 今回の金融庁の要望は、この「3年以内に」という制限を撤廃させようとするものです。
 現行制度では、3年以内での売却を助長し、税制が国民の資産選択を歪めている、可能性がある、との事です。
 いずれの要望も、株式市場へより多くの資金を流したい、という意図が良く分かりますよね。貯蓄から投資へ導きたい、という事ですね。
 中学生時代から投資を行う世代の資産形成は投資が主流になっていくのかも知れません。

2018年6月27日水曜日

固定資産税の特例でキャッシュフロー改善

 先日の日経新聞に、今年度の固定資産税収が9兆円を超える見通し、との記事がありました。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31832870V10C18A6EA5000/
 固定資産税収が9兆円台となるのは16年振りで、三大都市圏の地価上昇やその他地方でも工場等の固定資産への設備投資が活発に行われている事が要因との事です。
 また、北海道京極町の固定資産税収は12倍、沖縄県大宜味村は6倍に増加したとの事で、記事によれば大規模水力発電所の建設や国内最大級の太陽光発電パネル工場の新設が固定資産税を押し上げている様です。
 この9兆円という固定資産税収ですが、大きいのでしょうか、小さいのでしょうか。
H30年度予算額で他の税収と比較してみました。
・所得税(国税)    19.0兆円
・消費税(国税)    17.5兆円
・個人住民税(地方税) 12.8兆円
・法人税(国税)    12.1兆円
・固定資産税(地方税)   8.9兆円
http://www.soumu.go.jp/main_content/000537947.pdf
こうして並べてみると、固定資産税は思っていたより大きいなと感じました(ま、思ってもみなかったのですが)。ちなみに相続税は2.2兆円です。資産課税の大部分は相続税ではなくて固定資産税ですね。
 実は、この固定資産ですが、一部の償却資産には税制面から大きな減額措置が講じられております。
 「3年間の固定資産税が1/2に減額される」中小企業経営強化法、さらには、「3年間の固定資産税が最大ゼロに減額される」生産性向上特別措置法がございます。
 税制面から大きな支援を行い中小企業の設備投資を後押ししようとするものです。
 固定資産税の特例の効果(どれくらい減税になるか)を具体的に見てみましょう。
 例えば太陽光発電システム(耐用年数17年として)に5億円投資したとします。この太陽光発電システムに課税される3年間の固定資産税額は約1,800万円です。
 1/2の減額であれば▲900万円、ゼロとなれば▲1,800万円の減額となります(当たり前ですが)。
 最大1,800万円のCFが改善されます。この新たに生み出された1,800万円のCFで低圧の太陽光発電システムが手に入ってしまいますね、新たなCFは再投資に回したいところです。
 固定資産の特例は太陽光発電システムに限った事ではございません。多くの設備投資が対象となります。
 今回、わざわざ太陽光発電システムを例にあげたのは、太陽光発電システムの固定資産税の特例を失念しているケースが散見されるからです。
 誤解を生みやすい様です。前述した「中小企業経営強化法」は、「固定資産税の特例」と合わせて「即時償却」または「税額控除」といった税制措置が選択適用出来ます。
 FITによる太陽光発電システムは「即時償却」または「税額控除」の適用対象とはなっておりません、しかし「固定資産税の特例」の対象にはなっております。
 FITによる太陽光発電システムは「即時償却」や「税額控除」の対象外である事から、中小企業経営強化法の対象外であるとの誤解を生み、「固定資産税の特例」の適用まで受けられない、と思われているのかと思われます。固定資産税が1/2となる特例を失念しているのは非常にもったいない事です。
 さらに今年度においては、「生産性向上特別措置法」を活用する事で、固定資産税は3年間最大ゼロとなります。
 「中小企業経営強化法」では<経営力向上計画>の認定が必要です、「生産性向上特別措置法」では<先端設備等導入計画>に認定が必要です。
 近時の税制措置は生産性向上に寄与する設備投資において、様々な優遇税制が用意されております。税制措置は、「知っている」か「知らない」か、だけで、企業のCF増減に大きな影響があります。
 皆様の会社におかれましても、何か設備投資の計画がございましたら、活用出来る制度がないか、事前に調べておく事をお勧め致します。
 もし何か気になる事がございましたら、いつでもお気軽に弊社コンサルタントへお声掛け頂ければと思います。

2018年4月11日水曜日

H30年度税制改正がスタート!


 H30年度税制改正関連法案が、3月28日参議院本会議で可決・成立致しました。
 「小規模宅地等の特例」、「一般社団法人」を活用した一部の節税策は封じられる事になります。そして非常に関心の高い「事業承継税制」についても拡充・創設がなされました。

 今回の「小規模宅地の特例」に関する改正は、いわゆる「家なき子特例」と「貸付事業用宅地等」に関する改正です。昨年12月の税制改正大綱に発表されておりますが、今回どのように改正されたのか簡単に触れておきたいと思います。
まず「家なき子特例」とは、被相続人の所有する家の土地を、持ち家のない子が相続する場合(一定の要件も満たしている)、その土地の相続財産評価を80%減額できる特例です。相続財産評価が1億円の土地なら20百万円まで評価減となりますので、この特例の効果は非常に大きなものです。
この大きな効果を狙って、本来所有していた自宅をわざわざ法人へ売却したり、子供へ贈与する等して、形式的に「家なき子特例」の要件を満たす事が問題となっておりました。
今回改正により「家なき子」であっても、下記の者は特例対象外となります。
    相続開始前3年以内に3親等内の親族・特別関係のある法人が所有する家屋に居住した事がある者
    相続開始時に居住の用に供していた家屋を過去に所有していたことがある者
 これで形式的に要件を満たす事は難しくなりましたね。H30年4月1日より施行です。
ちなみに税制とは全く関係ないのですが(なおかつどうでも良い話なのですが)、この「家なき子」と言う俗称は、ずいぶん前のテレビドラマ「家なき子」(子役時代の安達祐実主演)から来ているのでしょうか。あの大ヒットドラマが存在していなかったとしても、小規模宅地の特例における「家を所有していない子供」の事を「家なき子」と呼んでいたのかな、とふと疑問に思ってしまいます。
そしてもう一つ、「貸付事業用宅地等」に関する改正です。
これは被相続人が駐車場等として貸し付けていた土地や賃貸マンション・オフィス(いわゆる収益物件)の土地について、面積200㎡まで等、一定の要件を満たす土地について、その土地の相続財産評価を50%減額できる特例です。
この特例も極めて大きな効果があります。減額率80%には見劣りしますが、50%でも十分大きな効果があると言え、かつ、貸付事業用なので対象物件が非常に多岐にわたり活用し易い特例です。
今回改正により「相続開始前3年以内に貸付事業の用に供された宅地等」が特例より除外されます。つまり相続直前になって突然不動産投資して相続財産の評価額を圧縮するのは許しませんよ、と言う事です。個人的には、形式的に「家なき子」となって節税する対策は出来なくなって当然かと思っておりますが、本件改正についてはいま一つ納得感はございません。

続いて「一般社団法人」についての改正。
「一般社団法人」の財産については、相続税の課税がございせん。このことから将来の相続財産を一般社団法人に移転して相続税の課税対象から外し、その一般社団法人を事実上親族で運営していく、と言う相続税等の対策がございました。
ところが、今回改正により、役員(理事)の過半数が親族で経営されている一定の一般社団法人について、役員が死亡した場合には、その一般社団法人に対して相続税が課税される事となりました。
これも大きな改正です。H30年3月31日以前に一般社団法人を設立している方は、H33年4月1日以後の役員死亡については当該一般社団法人に相続税が課税されますのでご留意下さい。今後の対策が必要でしょう。

さて、「事業承継税制」の拡充・創設について。
株式にかかる後継者への贈与税、相続税を全額猶予するものです。本税制の効果については極めてインパクトが大きいです。
活用するにはどうすれば良いのか?その要件は?本当に活用した方が良いのか?活用した場合のリスクはあるのか?活用出来たとして、納税猶予を維持していく為の要件は?
本税制については多くの事項を極めて慎重に検討すべきかと思われます。
弊社では今回の拡充・改正を踏まえて「事業承継税制」につき「納税猶予を選択すべき会社・してはいけない会社」をテーマにセミナーを開催致します。
本税制の活用を考えている方、どんな税制なのかご興味ある方、念の為に確認しておきたい方、是非とも本セミナーにお越し下さい。
~セミナーのご案内~
http://www.midori-zc.co.jp/info/8909/

それから、税制改正に続いて、今後、民法改正も行われます。
「遺留分減殺請求」に関する改正(相続財産の共有問題を回避出来る良い改正になる見込みです)、配偶者保護の為の居住権や遺産分割方法の見直し、自筆証書遺言の要件緩和等、改正内容は盛り沢山です。
相続・事業承継においては民法改正もきっちり把握しておきたいところです。
常に最新情報の更新しておかれた方が良さそうですね。今般の改正について、些細な疑問点や少しでも気になる事がございましたら、いつでも弊社コンサルタントにご連絡下さい。

※補助金情報※
IT導入補助金の一次公募が2018420日から始まります。予算額500億円と大きな補助金です。補助金上限は50万円なので単純計算で10万社が対象となります。
補助金の申請漏れがないようにお気をつけ下さい。気になる事があればいつでもお問い合わせ下さい。



弊社東京支店の隣地、東京ミッドタウン日比谷、ついに開業しました!地上35階、高さ192mの巨大ビルは連日大賑わいです!ミッドタウン日比谷の探索がてら、弊社東京支店にもお立ち寄り下さい!
写真は映画「パシフィックリム・アップライジング」のジャパンプレミアの様子です。ミッドタウン日比谷のシネコンは日本最大級らしいです。最大”級”とは?!

2018年1月25日木曜日

直感は正しいか?!


 朝倉さんの職業はどちらでしょう?
 朝倉さんの知り合いは朝倉さんの事を次のように描写しました。
 「朝倉さんはとても論理的で正義感も強い。いつも頼りになるが、基本的に論理を重視する傾向が強く、時に他人の感情面を理解する努力に欠ける面がある。秩序や整理整頓を好み、こまかいことでもよく熟考をする」
 さて、この朝倉さんの職業は弁護士でしょうか?それとも農家の方でしょうか?

 この朝倉さんは架空の人物ですが、弁護士と農家の方、朝倉さんの職業はどちらでしょうか?
 なんとなく弁護士ではないか?とお考えになられた方が多いのではないかと思います、もしくは、これはひっかけ問題だと判断し、弁護士と見せかけて実は農家だ、とお考えになられた方も少なからずいらっしゃるかと思います。私は怪しいと思いながらも弁護士だと思いました。
実はこの質問、行動経済学の創始者ダニエル・カーネマン氏の著書「ファスト&スロー」の一節から抜粋致しております(原文とは異なりますが)。
カーネマン氏は、イスラエル人の心理学者であり、中東戦争ではイスラエル軍の心理学部隊として従軍しております、また、心理学者でありながら2002年にノーベル経済学賞を受賞するなどの興味深い経歴の持ち主です。
朝倉さんの職業の質問の件に話を戻しますが、同書によれば、この質問は本来確率の問題である。そして一般的には多くの方が人数までは知らないまでも、弁護士の人数より農家の方の人数の方が多いといったイメージは持てる、もしくは農家の方の方が多い事を知っており、それであれば朝倉さんの職業は農家である、と答えた方が当たる確率が高い筈です(事実、弁護士の人数は3.8万人(2016弁護士白書)、農業従事者数は181.6万人(2017年農林水産省統計部)と、圧倒的に農業従事者の方が多い)。
ところが、我々はこの質問を確率の問題とは判断せず、朝倉さんが、「どちらの職業のイメージに似ているか?」と脳内で質問内容を置き換えて回答している様です。
質問はあたかも朝倉さんが弁護士であるかの様に描写されており、我々が持つ弁護士のイメージ(ステレオタイプ)と朝倉さんの描写が良く似ていた事で、質問の本質から外れ「答えやすい様に脳内で質問を置き換えている」、との事です。
カーネマン氏はこの様な事象を系統的なエラーであると指摘しており、人間は必ずしも合理的な判断をしている訳でなく、人間の思考には様々な生系統的なエラーが存在する、と述べております。
同著はその様々な事例が記載されており、如何に多くの系統的なエラーが存在し、その系統的なエラーを認識する事で、今では医療現場、公共政策、軍事、経済など様々な分野で応用されている様です。
経済学に応用されたものが行動経済学と呼ばれ、昨年のノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラー教授もこの行動経済学の分野での受賞となりました。
行動経済学は非常に興味深く、自分の思考を今までと異なった確度から分析出来る様な気がしてきます。
同書からいくつか事例を紹介してみようと思います。
「平均への回帰」
カーネマン氏はイスラエル空軍のパイロット養成機関の教官に対して、こんな話もしています。
スキル強化訓練においては、失敗を叱るよりも能力向上を褒める方が効果的であると。
すると、ある教官は反論したと言います、極めて難しい飛行を成功させたパイロットを褒めると、その次には前ほど上手く出来ない、まずい操縦をしたパイロットを叱りつけると、その次にはうまく出来る、と。
カーネマン氏はこれは「平均への回帰」と言われる現象で、うまく出来た時にはその次はそれほどうまく出来ない、まずかった時には程度の差こそあれその次はうまく出来る、それぞれのパイロットは平均値に近づく、本来そういうものであり、教官が叱りつけた事とパイロットのパフォーマンスには関係はない。この教官は「平均への回帰」と言う現象に因果関係を錯覚したものだ、と。
身近な事例では「夫婦の貢献度」の話があります。
夫と妻それぞれに次の様な質問をします。
「掃除や整理整頓、ゴミ出しやその他もろもろ家庭の事、夫婦合計100%としてそのうち自分の貢献度は何%か?」
お互いが同じ認識で一致していればそれぞれが答えた自分の貢献度を合計すると100%になる筈ですが、現実的には夫婦のそれぞれが回答した自分の貢献度を合計すると100%を上回るそうです。
これは事例が示唆するのは、その物事の「思い出しやすさ」が、その物事が発生する「頻度が多い事」であると錯覚してしまうと言う系統的なエラーである様です。
自分のやった事は当然思い出しやすく、相手のしてくれている事は自分のやった事より思い出しにくい(実際には自分と同程度の貢献度であったとしても)。つまりお互いが思い出しやすい自分の貢献度を過大に評価する事になると。
この夫婦の話は身近な事例でしたので、我が家でもやってみようかと思ったのですが、議論が思わぬ方向に進み、自爆しそうなのでやめておきました。
その他、同書には人間は利益に比べて損失を回避する傾向が認められる行動経済学の代表的な「プロスペクト理論」や、そうなると最初から思ってたんだ!と後から言う「後付けバイアス」、自信はあてにならないと言う「妥当性の錯覚」等、面白い事例が盛りだくさんです。
同書のご紹介←こちらをクリック

さて、話は変わりますが、中小企業経営強化税制につき留意事項のご案内です。
中小企業経営強化税制はきっちりご活用されておりますか?一定の設備投資について、「即時償却」もしくは「税額控除」が選択出来ます。

留意して頂きたいのは、中小企業経営強化税制における「税額控除は10%」だと言う事です。昨年度まで多くの企業に活用された生産性向上設備投資促進税制では、「即時償却(もしくは50%償却)」を選択されたユーザーが、その事もあってか、今年度からの中小企業経営強化税制においても昨年度と同様に「即時償却」を選択しているケースがございます(何も間違いではないのですが)。
ご留意頂きたいのは、今年度からの中小企業経営強化税制の「税額控除は10%」であり、昨年度の生産性向上設備投資促進税制の「税額控除は4%」でした、その差2.5倍です、両税制とも似たような措置なのですが、その選択による効果は大きく異なる可能性があります。
「即時償却か?」「税額控除か?」どちらを選択するべきか?朝倉さんの職業ではございませんが、慎重にご判断して頂けたらと思います。
何か疑問点がございましたら、弊社コンサルタントまでご相談頂けたらと存じます。



写真は弊社東京支店の窓から見える雪化粧の「東京ミッドタウン日比谷」、隣接する日比谷公園と相まって、まるで中世ヨーロッパのお城の様に荘厳な雰囲気でした(車が走ってますが、、、)。
「東京ミッドタウン日比谷」はいよいよ329日にグランドオープンです!ついでに弊社東京支店にもお越しくださいませ。


2017年11月9日木曜日

税制改正大綱における経済産業省の要望事項

 だいぶ寒くなって来ました。朝に弱い自分としては布団から出るのに、これから毎日厳しい戦いになります…
1031日、日経のコラム「大機小機」に「日本の財政破綻は考えられない」とありました。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO22895020Q7A031C1EN2000/
ふと不思議に思いました。コラムによれば日本は経常黒字国であり、外貨準備も世界2位、国債の94%は国内で消化されている、等、様々な理由からデフォルトはあり得ない、との事です。財政破綻の議論には様々なものがありますが、専門家の説明を聞くと、何となくそうなのかな、とも思うのですが、GDP2.3倍の借金を抱え、さらに毎年毎年あたり前の様に税収以上の予算編成が行われている現状を目の当たりにしていると、本当に財政破綻なんて考えられないのかな、と、何となく不思議に思いました。
余談ついでですが、マイナス金利政策、これもいろいろと専門家の解説を読めば金融政策としては有効なのかな、とも思うのですが、お金を借りると利子が受け取れる、やっぱり何となく不思議に思います。
何となく納得しているけど、自分では実は不思議に思っている事が結構たくさんあります。
航空機もそう、あの鉄の塊が空を飛ぶ(仮に鉄ではなくカーボンの塊だったとしても)、100トンを超える物体が空を飛ぶなんて。揚力が発生するように設計された翼によって、航空機は宙に浮く、原理としては納得出来ますが、やっぱり不思議です、今でも飛行機に乗ると落ち着きません(航空機リース事業には魅力を感じますが)。
AI、プログラムされた通り作動するのがコンピュータだと思っておりましたが、人工知能は自ら学習し人知を超えた知識を手に入れ続けています。人工知能を作った人にも、その行き着く先は分かりません。不思議過ぎます。
量子コンピュータ、スーパーコンピュータでも数千年かかる計算を数秒で行うケタ違いの能力を有す次世代のコンピュータ、0と1が重ね合わさっている状態がその原理だと言います。0でもあり1でもある、また、0でもなければ1でもない、もはや不思議を通り越して宗教的な世界観すら感じます。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO18158440X20C17A6000000/
将来的にはAI搭載量子コンピュータのノートパソコンを持ち歩いているかも知れませんね。
さて、長くなった余談をそろそろ終えて本題に入りたいと思います。

毎年12月に閣議決定される来年度の税制改正大綱に向けて、各省庁が税制改正に関する要望を出しております。

経済産業省の要望事項に、「事業承継税制を抜本的に拡充」とあります。事業承継税制は、経営承継の一層の円滑化により経営者の高齢化や後継者不足を原因とした廃業を減少させることで、技術力やサービス等を含む優良な経営資源を有する中小企業の事業の継続に繋げ、ひいては地域経済の活力維持・発展を実現する事を目的としております。
今回の経済産業省の事業承継税制に関する要望事項は下記の通りです。
 中小企業経営者の高齢化が進んでおり、今後5年間で30万人以上の経営者が70歳(平均引退年齢)に達するにも関わらず、半数以上が事業承継の準備を追えていない。現状を放置すると中小企業の廃業の増加により地域経済に深刻な打撃を与える恐れ。
このような現状を踏まえ、以下の要件等、あらゆる要件を見直すことを含め、事業承継税制を抜本的に拡充する。
①雇用要件
②納税猶予制度
③対象となる発行済議決権株式総数の上限
④対象者
との事です。
事業承継税制は度重なる改正が行われ、利用件数も増加傾向にありますが、認定件数は年間数百件に止まり、まだまだ改正の余地はあると思われます。
今回の要望事項においては、更なる要件の緩和に加えて、「③対象となる発行済議決権株式数の上限」とあり、つまり現在2/3までとなっている議決権の上限緩和によって経済的な効果についても拡充が図られる事が想定されます。他にもMAやファンド資金の活用、従業員への承継など、様々な形態の事業承継についても税負担の軽減措置が要望されております。大いに期待したいところです。
その他の主な要望には、所得拡大税制の拡充、MAやファンド活用等の様々な形態の事業承継を支援する為の税負担の軽減措置、第4次産業革命下で増大し続ける膨大なデータ活用の為のIT投資強化等、注視しておきたい要望がたくさんございます。
(平成30年度税制改正に関する経済産業省要望【概要】)
http://www.meti.go.jp/main/zeisei/zeisei_fy2018/zeisei_r/pdf/1_02.pdf

日本では様々な理由で事業を承継できずに多くの黒字企業が廃業しております、この状況の解決は待ったなしです。毎年新たな税制改正や制度創設がなされております。選択肢が広がる事は良い事だと思います。
使い勝手の良いもの、現実的には活用が難しいもの、併用出来るもの、出来ないもの、法人税に対応するもの、所得税に対応するもの、相続税に対応するもの、制度も様々です。最適な選択を行い、より多くの企業が効率よく事業の継続・承継を行い、また、新たな付加価値の創出が出来るようなれば良いなと思います。その為に弊社も努力していきたいと思います。

将来、AIを搭載した量子コンピュータが、その天文学的な演算能力をもって、毎年の税制改正大綱を学習し、最適な選択をしてくれるようになるでしょうか?はたまたAIが人には思いもよらない税制を作り始めるでしょうか?AIが税制を作り、AIが最適な税制を選択し、AIにより税務調査が行われる、こんな不思議な時代が来るのでしょうか?不思議な事は既にたくさん実現しております、意外と早くこんな時代が来るかも知れませんね。

 弊社東京支店の窓から見える建築中の「東京ミッドタウン日比谷」です。どうやらロゴマークも決まったようです。

「東京ミッドタウン日比谷」のロゴマークはこちらです↓

ちなみに弊社グループのロゴマークと似ているのでお間違えのない様にお気を付けください。


2017年9月14日木曜日

航空機リース事業

航空機リース事業への投資が増えております。817日の日経新聞に、三井物産が航空機リース事業への投資額を倍増させる、との記事がございました。その翌日には地銀が航空機融資へ活路を見出す、との記事が掲載されております。

三井物産はこれまでの二倍の航空機を購入して、世界の航空会社にリースする事業を強化する方針で、地銀は航空機を購入する航空会社(または航空機をリースする企業)に対する融資を積極化させる、との事です。背景にあるのは、航空会社、航空機をリースする企業の航空機調達ニーズが高まっている事です。

「一般財団法人日本航空機開発協会」の今後20年間の市場予測レポートによれば、世界のジェット旅客機運航機数は2016年末の21,597機から2036年末には38,866機と二倍近く増加すると見込まれております(米ボーイング社の市場予測では今後20年で4万機以上の航空機が納入される、とあります)。これは今後の世界のGDP成長率2.8%を上回る高成長分野です。

ちなみに本稿での航空機リース事業とは、レバ・オペと言われる小口化された金融商品とは異なり、20-50億円程度の航空機を1機丸ごと購入し(借入も活用)、世界の航空会社へリースする事業です。
航空機リース事業の一般的な利回りは8-10%程度、レバ・オペと言った金融商品と比較すると収益性が格段に高いのが特徴です。航空機リース事業は、物件を購入してテナントに賃貸する不動産投資に似ています。航空機は都市計画や新しい道路計画に影響を受けない「空飛ぶ不動産」と言えるかも知れません。どのビルを購入して(どの航空機を購入して)、どのテナントに貸し出すか(どの航空会社に貸し出すか)、不動産投資も航空機リース事業においても重要なポイントです。
また、不動産と比較して航空機の法定耐用年数は2-8年と非常に短いのも特徴の一つです(新造機で8年、定率法も認められております)。数十億円の航空機を2-8年程度で償却する事から、税務上の損金も巨額になります。リース事業として収益性の高さと税務上の損金が巨額になる、二面性があります。
航空機リース事業は今後20年の高成長が見込まれており、上場企業や銀行に関わらず、多種多様な企業が航空機1機からリース事業を始めております。企業が成長する為の新機軸の一つとして航空機リース事業は注目されております。

そもそも今後20年でなぜ世界の航空機が倍増すると予測されているのでしょうか?
前述した「一般財団法人日本航空機開発協会」のレポートによれば、世界の旅客需要は今後20年で飛躍的に成長します(世界中の数多くの方が飛行機に乗って海外に渡航する様になる)、その成長率は年4.6%と極めて高い水準です。(ちなみに年率4.6%で20年成長すると旅客需要は約2.5倍まで増加します、当然航空機数は今のままでは圧倒的に不足します)。

これ程までに世界の旅客需要が高成長するのはなぜでしょうか?新興国の経済成長が大きな要因です。同レポートに興味深い資料がございます(下図)
縦軸は「一人あたり年間外国旅行回数」、横軸は「一人あたり名目GDP」です。国の経済成長による一人当たりGDPの増加とその国の国民一人当たりの外国旅行回数には密接な関連性があります。



一人あたり年間外国旅行回数は、先進国ではおよそ1回程度で落ち着いておりますが、新興国においては、その経済成長に合わせて飛躍的に増加しております。
中国もインドもまだまだ成長余力を残しております。世界4位の人口26千万人を誇るインドネシアもこれからの発展が期待される新興国です。
世界には今後20年で高成長を遂げる国が数多くあります。世界の中間所得層は10億人の単位で増えていきます。世界にはとてつもない数の消費者が現れるのでしょう。日本のインバウンドも順調に成長して欲しいものです。
今後より多くの人々が航空機を利用して、世界中を飛び回る事が容易に想像出来ます。
日本国内の成長率は低いですが、航空機リース事業を通して世界の成長分野産業に投資する事が出来ます、新しい挑戦、新規事業の候補に、この成長産業を検討してみるのも面白いのではないでしょうか
 航空機リース事業に関するご質問や、ご投資を検討されたい方は、みどり財産コンサルタンツのホームページよりお問い合わせください。
参考URLhttp://www.midori-zc.co.jp/inquiry/


 余談ですが、弊社東京支店の入居する日比谷マリンビルの隣に建築中の三井不動産のビルですが、正式名称が「東京ミッドタウン日比谷」と決まりました。赤坂につづく二ヵ所目のミッドタウンです。2018年3月開業を目指し順調に工事が進んでおります。
 皆様、東京ミッドタウン日比谷にお越しの際は、是非とも弊社にもお立ち寄り下さい。

弊社東京支店の窓より、東京ミッドタウン日比谷と日比谷公園を望む。ずっと気になって仕方なかった写真右下の円形の構築物は単なるエレベーターでした。何となくがっかりです。




2017年6月21日水曜日

初めまして

 皆様、初めまして、この4月にみどり財産コンサルタンツに入社致しました大谷と申します。
 東京都出身、昭和50年生まれの41歳、髪は既に半分が白髪のため銀色に見えます。
 新卒から19年間お世話になった会社を3月末をもって退社し、縁あってみどり財産コンサルタンツにて新たなスタートを切りました。
 みどり財産コンサルタンツでは東京支店勤務になります。
 どうぞ宜しくお願い申し上げます。
 
 みどり財産コンサルタンツの東京支店は日比谷交差点の南東角、日比谷マリンビルに拠点を構えております。日比谷通りを挟んだ向かいには皇居、日比谷公園があり、都心ながらみどり豊かな立地です。また、日比谷マリンビル南側の隣接地では、三井不動産の新日比谷プロジェクトが進展中、地上35階、高さ192mの大規模複合施設が2018年にも開業します。日比谷がずいぶんと賑やかになりそうです。 お近くにお越しの際はお気軽に東京支店へお立ち寄り下さい。
東京支店事務所より日比谷公園を臨む、左端に見えるのは新日比谷プロジェクトの建築中ビルです、手前下の円形部分には一体何が出来るんだろうか

相続した上場株式等を売却する場合

 先日、親戚の家に行った時の事ですが、中学生の甥がタブレットPCを熱心に見つめていました。いつものゲームをやっている時と少し様子が違うので、甥のタブレットPCを覗いてみると、何と株価をチェックしておりました。  なぜ株価をチェックしているのか、と聞いてみるとジュニアNISAを検...