2018年6月27日水曜日

固定資産税の特例でキャッシュフロー改善

 先日の日経新聞に、今年度の固定資産税収が9兆円を超える見通し、との記事がありました。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31832870V10C18A6EA5000/
 固定資産税収が9兆円台となるのは16年振りで、三大都市圏の地価上昇やその他地方でも工場等の固定資産への設備投資が活発に行われている事が要因との事です。
 また、北海道京極町の固定資産税収は12倍、沖縄県大宜味村は6倍に増加したとの事で、記事によれば大規模水力発電所の建設や国内最大級の太陽光発電パネル工場の新設が固定資産税を押し上げている様です。
 この9兆円という固定資産税収ですが、大きいのでしょうか、小さいのでしょうか。
H30年度予算額で他の税収と比較してみました。
・所得税(国税)    19.0兆円
・消費税(国税)    17.5兆円
・個人住民税(地方税) 12.8兆円
・法人税(国税)    12.1兆円
・固定資産税(地方税)   8.9兆円
http://www.soumu.go.jp/main_content/000537947.pdf
こうして並べてみると、固定資産税は思っていたより大きいなと感じました(ま、思ってもみなかったのですが)。ちなみに相続税は2.2兆円です。資産課税の大部分は相続税ではなくて固定資産税ですね。
 実は、この固定資産ですが、一部の償却資産には税制面から大きな減額措置が講じられております。
 「3年間の固定資産税が1/2に減額される」中小企業経営強化法、さらには、「3年間の固定資産税が最大ゼロに減額される」生産性向上特別措置法がございます。
 税制面から大きな支援を行い中小企業の設備投資を後押ししようとするものです。
 固定資産税の特例の効果(どれくらい減税になるか)を具体的に見てみましょう。
 例えば太陽光発電システム(耐用年数17年として)に5億円投資したとします。この太陽光発電システムに課税される3年間の固定資産税額は約1,800万円です。
 1/2の減額であれば▲900万円、ゼロとなれば▲1,800万円の減額となります(当たり前ですが)。
 最大1,800万円のCFが改善されます。この新たに生み出された1,800万円のCFで低圧の太陽光発電システムが手に入ってしまいますね、新たなCFは再投資に回したいところです。
 固定資産の特例は太陽光発電システムに限った事ではございません。多くの設備投資が対象となります。
 今回、わざわざ太陽光発電システムを例にあげたのは、太陽光発電システムの固定資産税の特例を失念しているケースが散見されるからです。
 誤解を生みやすい様です。前述した「中小企業経営強化法」は、「固定資産税の特例」と合わせて「即時償却」または「税額控除」といった税制措置が選択適用出来ます。
 FITによる太陽光発電システムは「即時償却」または「税額控除」の適用対象とはなっておりません、しかし「固定資産税の特例」の対象にはなっております。
 FITによる太陽光発電システムは「即時償却」や「税額控除」の対象外である事から、中小企業経営強化法の対象外であるとの誤解を生み、「固定資産税の特例」の適用まで受けられない、と思われているのかと思われます。固定資産税が1/2となる特例を失念しているのは非常にもったいない事です。
 さらに今年度においては、「生産性向上特別措置法」を活用する事で、固定資産税は3年間最大ゼロとなります。
 「中小企業経営強化法」では<経営力向上計画>の認定が必要です、「生産性向上特別措置法」では<先端設備等導入計画>に認定が必要です。
 近時の税制措置は生産性向上に寄与する設備投資において、様々な優遇税制が用意されております。税制措置は、「知っている」か「知らない」か、だけで、企業のCF増減に大きな影響があります。
 皆様の会社におかれましても、何か設備投資の計画がございましたら、活用出来る制度がないか、事前に調べておく事をお勧め致します。
 もし何か気になる事がございましたら、いつでもお気軽に弊社コンサルタントへお声掛け頂ければと思います。

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